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ユニヴァーサル・リミテッド・アート・エディションズ(ULAE)

Universal Limited Art Editions
更新日
2024年03月11日

1957年にタチアナ・グロスマンによって設立されたアメリカの版画工房。ロシア生まれのタチアナは43年にニューヨークに移住。生活のために夫のモーリスとロングアイランド、ウエスト・アイスリップのコテージで絵画複製の仕事をしていたが、ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ウィリアム・リーバーマンの助言でアーティストとのコラボレーションによるオリジナル版画の制作を始める。ラリー・リヴァースと詩人のフランク・オハラによる石版画の連作《Stones》(1957-60)を皮切りに、サム・フランシス、ジャスパー・ジョーンズ、ロバート・マザウェル、ロバート・ラウシェンバーグ、ジム・ダインらの作品を手がけ、アメリカにおけるプリント・リヴァイヴァルの火付け役となった。66年には全米芸術基金(NEA)からの助成金でインタリオ(凹版画)のスタジオを設立。その後もオフセット印刷や凸版印刷などの技術的挑戦を続けた。82年のタチアナの死後、ULAEの経営者を引き継いだプリンターのビル・ゴールドストンは、テリー・ウィンタース、ビル・ジェンセン、スーザン・ローゼンバーグ、キャロル・ダンハム、エリザベス・マーレイ、そして90年代にはジェーン・ハモンド、キキ・スミス、ジュリアン・レスブリッジ、スーザン・マクレランドといった若いアーティストたちを新たにスタジオに招き制作を行なった。

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補足情報

参考文献

「現代アメリカ版画の40年 巨匠たちと版画工房ULAE」展カタログ,セゾン美術館ほか編,セゾン美術館,1998
Tatyana Grosman: A Scrapbook,Riva Castleman,Universal Limited Art Editions,2011