STEIM(STudio for Electro Instrumental Music)
- STEIM (STudio for Electro Instrumental Music)
- 更新日
- 2024年03月11日
オランダ・アムステルダムにある電子音楽・電子楽器にかかわる自主運営の研究施設。1969年に電子音楽の作曲家ルイ・アンデルセン、ピーター・スキャット、ミーシャ・メンゲルベルグ、ディック・ライマーカスらによって、彼らが共同制作したオペラ《Reconstructie》(1969)で用いた数々の電子楽器をサポートするための施設として発足した。初代所長はピーター・スキャット。2代目の所長は「Crackle Box」(1975)や「The Hands」(1984-)などの自作電子楽器の開発、演奏で知られるミッシェル・ ヴァイスヴィッツ。STEIMは録音スタジオや開発用の研究施設、イヴェントスペースに加えて宿泊施設を備えており、充実した設備とスタッフのサポートのもと滞在制作を行なうことができる。90年代後半には「LiSa」(1995-)や「Big Eye」(1995-2001)、「Image/ine」(1996-2001)など数々の先進的な音響・映像ソフトウェアを生み出している。2009年のリーマンショック以降、オランダ政府の民間に対する文化予算削減に伴いその存続が危惧されていたが、2011年には現在アーティスティック・ディレクターを務めるTakuro Mizuta Lippit(DJ SNIFF)のもとで電子音楽の過去、現在、そして未来を考える国際的なイヴェントが行なわれるなど、当該分野の活動を支える世界的な施設のひとつであり続けている。
補足情報
参考文献
Computer Music Journal,10(2),44-50,“The Second STEIM Symposium on Interactive Composition in Live Electronic Music”,Curtis Roads,MIT Press Journals,1986
Contemporary Music Review,6(1) :3-17,“Some Remarks on Musical Instrument Design at STEIM”,Joel Ryana,Continuum Books,1991