《6つのパートからなる18のハプニング》アラン・カプロー
- 18 Happenings in 6 Parts, Allan Kaprow
- 更新日
- 2024年03月11日
アメリカの美術作家アラン・カプローによって1959年の10月にリューベン・ギャラリーで上演された、ハプニングのアイディアに基づく最初期にして代表的なパフォーマンス作品。この作品では以下のインストラクションが観客に与えられた。「パフォーマンスは6つのパートに分けられています。それぞれのパートは同時に起こる3つのハプニングを有しています。それぞれの始めと終わりはベルが知らせることでしょう。パフォーマンスの最後では、ベルが二度鳴るのを耳にすることでしょう。3枚のカードを配ります。カードが指示するままに座って下さい。セット3とセット5のために必ず席を変えて下さい(……)」。ほかに、パートとパートの合間に数分の間隔があり、席を立つか立たないかの指示と拍手についての指示があった。パフォーマーは、フルート、ウクレレ、バイオリンを演奏し、手にしたプラカードを読み上げ、カンヴァスに絵を描き、蓄音機を手押し車で運び込んだ。90分続いたパフォーマンスの最後には、文字の書かれた4本の巻物が棒に吊され、下向きに広げられていった。観客に参加者としての意識をうながすために「あなたはハプニングの一部となるはずです。同時にそれを経験することになります」と書かれた招待状があらかじめ送られていた。各行為を貫く物語はなく、一見無意味に見えるパフォーマンスの意味は、観客に委ねられた。
補足情報
参考文献
Allan Kaprow: 18 Happenings in 6 Parts,Lepeke,Eva Meyer-Hermann,Stephanie Rosenthal and Allan Kaprow,Steidl Hauser & Wirth,2007
『パフォーマンス』,ローズリー・ゴールドバーグ(中原佑介訳),リブロポート,1982(原著1979)