バックナンバー
2013年10月01日号のバックナンバー
フォーカス
市民の、市民による、市民のためのアート
バーゼルのケーススタディ
[2013年10月01日号(木村浩之)]
スイス・バーゼル市では、アートの市民への帰属感が強い。
ひとつには、パブリック・コレクションとしては世界最古となるバーゼル市立美術館のコレクションがあることによる。
そして、公共空間での作品設置、つまりパブリック・アートと呼ばれる作品が市内外に多く点在しており、アートが市民の目に触れる機会が多く設けられていることによる。
それだけではない。パブリック・コレクションやパブリック・アートの作品の多くが、多くの個人・団体・企業からの寄贈・貸与作品により形成されており、パブリック性が複層化した相を示している。
キュレーターズノート
種差──よみがえれ 浜の記憶
[2013年10月01日号(工藤健志)]
青森県立美術館の今年の夏の企画展は、「種差──よみがえれ 浜の記憶」。単館開催の自主企画展でありながら約17,000人の観覧者を記録し、「興業」としても大成功といえるであろう。キュレーションは当館で写真や西洋美術を担当している高橋しげみ学芸員。これまで開館記念展の「シャガール──《アレコ》とアメリカ亡命時代」(2006)や「小島一郎──北を撮る」(2009)等の企画展をはじめ、沢田教一の常設展示や常設展内小企画で「六ヶ所村開拓写真×小島一郎」(2008)などを手がけてきた学芸員である。
中之条ビエンナーレ2013、あいちトリエンナーレ2013
[2013年10月01日号(住友文彦)]
地方の芸術祭があちこちで花盛りの近頃は、artscapeの読者であればいまさら「ビエンナーレ」や「アートフェスティバル」と聞いてもきっと心は惹かれないだろう。なので、あえて冒頭に中之条ビエンナーレの特徴を明記しておく。