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2021年07月01日号のバックナンバー

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フォーカス

【サンタバーバラ】ラディカル・ラーニング
Get out of your mind, into your body, and heal.

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[2021年07月01日号(キオ・グリフィス)]

昨年からのコロナ禍で、美術館やギャラリー、劇場、オルタナティブスペースなど、これまで確立されてきた、人々が接触する具体的な場が断たれてしまった文化芸術の状況は大きく揺さぶられた。特に現場でしか体感できない立体作品、インスタレーション、そして身体表現をベースに観客との繋がりから躍動感を活性化させるダンス、ボディムーブメント、パフォーマンスの分野はバーチャル会場の可能性を早急に開拓せざるをえなくなった。

キュレーターズノート

他者に開かれた浸透性──「ボイス+パレルモ」におけるパレルモ

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[2021年07月01日号(能勢陽子)]

豊田市美術館には、2点のパレルモの作品がある。黒く塗られたものと鏡面による二つの小さな逆三角形と、白い布が縫い合わされた作品[図1・左]である。強く存在を主張するわけではなく、とてもささやかなのに、二つの三角形は場に焦点を与えて緊張感を持たせ、白い布はまるで浸透するように空間を和らげる。わずかな関わりで空間を変質させるこの作家の作品を、ドイツやアメリカで時折観ることはあったけれど、長い間どこか掴み切れないままでいた。それが、今回の二人展「ボイス+パレルモ」で、初めて身に染みるように理解することができた。

小さな循環と生命のエネルギー ──三原聡一郎《土をつくる》

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[2021年07月01日号(勝冶真美)]

コロナ下での生活も一年を超え、天気予報以上に感染者数や死亡者数のニュースが流れる日常に、良くも悪くも慣れつつある自覚がある。どこからかやってくる死が日常の中に少しずつ入り込んでくるこの感覚は、私たちの何かを鈍感にし、どこかを知覚過敏にしているようだ。
仕事が休みの度に会期終了間近の展覧会に駆け込んでいた日々とは変わり、かつてよりも自宅にいる時間が増えた。私自身の生活にもいわゆるニューノーマルがやってきている。そんな中、存在を知って以来、折々に覗きにいってしまうウェブサイトがある。そこに、インターネット上で公開している作品があるからだ。アーティスト三原聡一郎の《土をつくる》である。

artscapeレビュー

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