バックナンバー
2023年09月15日号のバックナンバー
フォーカス
資本主義を再考するグラフィックデザイン
[2023年09月15日号(平山みな美)]
日夜ニュースメディアを騒がせる地球温暖化や気候危機の諸問題。その原因を、惑星規模で物質的な消費が加速したことと結びつけるような見方が多方面から提出されている。そうした見方は、デザインという営みにも再考を迫る。資本主義のなかで消費を促すサービス業としてのデザインが果たす役割を──その功罪も含めて──問い直すような機運が、欧米のデザインスクールを中心に盛り上がりを見せているのだ。
まさにその現場で学びを修めた平山みな美氏に、デザイナー自身らによる反省的な言説やオルタナティヴな活動内容・指針についてレポートをいただいた。著者はデンマーク留学ののち現地に居を構えてデザイン業に従事しつつ、環境活動家の肩書きでも活動するグラフィックデザイナーである。(artscape編集部)
キュレーターズノート
それでも美術館から遠くにいる人たち
[2023年09月15日号(田中みゆき)]
ICOM(国際博物館会議)の博物館の定義
にも「アクセシブル」や「インクルーシブ」という言葉が含まれ、多様性への認識は業界のなかでもますます高まっているように感じられる。しかし、その「多様性」にどこまでの人たちが含まれているかは、その言葉を使う人、受け取る人の想像力にしばしば委ねられる。それによって、これまで周縁に置かれてきた人たちのなかでも、その多様性のなかに含まれやすい人と、そうでない人が分かれるという現実がある。アクセシビリティは情報保障と混同されることが多いが、情報保障はその一部に過ぎない。本稿が、アクセシビリティが進むなかでも、現状の施策ではカバーされておらず、未だに美術館から遠くにいる人たちについて考えるきっかけになればと思う。