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MORI channel|水戸芸術館現代美術センター学芸員・森司によるブログ。学芸員の日常や最新のアートニュースを伝えます。
2004.10.24

炭焼き釜・窯象

朝から、椿昇のブログに塗装が施されてすごみをまして完成した《国連少年15号機−窯象》の写真がアップされているのを見て感嘆。「うん、すごーい。」
28日に取手着の予定。30日には釜開き(?)というか、火入れをして竹炭を焼く。京都からの配送が待ち遠しい。それにしも良い感じの窯象だ。


午後から、池袋に弘前劇場の芝居の観劇に行く。広報宣伝物の図として電柱を描いた会田誠の作品《無題》(1990)を使っている。劇団からの招待に応じて本人も来ていた。芝居は、賢治幻想『電信柱の歌』。本は別役実の書き下ろしで演出が長谷川孝治。

舞台最後のシーンで登場する鉄道ジオラマの俯瞰写真
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今週は観劇づいている。
昨日は、「まほちゃんち」オープニングの後、演劇部門「シリーズ・日本の劇作家たち」公演を見る。演目は34歳で夭折し最後の作品『女の一生』で知られる森本薫(1912-46)作『怒濤』(1944)。細菌学者・北里柴三郎(1853-1931)の波乱に満ちた生涯を描いた芝居だ。ほぼ3時間のお芝居。
僕が観劇していた時間は、新潟で震度6の地震があった直後だった。水戸でも体感し、芝居中にも揺れがあった。


そして台風23号が東京に雨をもたらし、渋谷の交差点を湖畔にしていた20日には、野田秀樹の3バージョン公演の「赤鬼」日本語バージョンの千秋楽の空間にいた。居合わせたことを感謝したいほどに純度の高い美しい存在を目にする感動を味わい堪能する。ロンドン、タイ、日本と3バージョンとも見ることによって、また別の世界が見えてくる。


タイと日本公演の舞台美術と衣装は日比野克彦。
いま読んでいる青木淳さんの『原っぱと遊園地』のなかに「透明性」なるキーワードが出てくる。日比野ワークの魅力の解釈にも「透明性」は適応(援用)できそうだなと思い至る。そんなことを思いながら、21日の夜水戸で会った日比野さんと四方山話をする。
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左:青木淳の10月2冊目の著書、建築論集(王国社、本体2,000円+税)
右:21日夜、水戸青年会議所主催「平成弘道館」で講演中の日比野克彦さん

Posted by 森司 at 08:23 | TAP











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