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MORI channel|水戸芸術館現代美術センター学芸員・森司によるブログ。学芸員の日常や最新のアートニュースを伝えます。
2007.1. 8

夕焼け。

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気づくと5時近く、夕暮れ時が訪れていた。午前中は日溜りにいると背が暑いほど。気持ちが良い。風は冷たい。


夏への扉に出品する田中功起さんからBCCでメールがはいった。個人的オープニング強化月間とのこと。本当に目白押し。


その1)
ART@AGNES
会期:1月13日(土)14日(日)
こちらはアグネスホテルをつかったアートフェアです。青山目黒のお部屋で作品を見せています。


その2
国立新美術館開館記念展「20世紀美術探検」
オープニング:1月20日(土)
会期:1/21〜3/19
こちらでは50mの会場を使ってパリ滞在中につくったあたらしい作品のなかから厳選した13作品を展示しています。映像と写真と絵画と日用品とビルボードなどが混ざり合ってます。


その3
森美術館「笑い展 現代アートにみつ「おかしみ」の事情」
オープニング:1月26日(金)
会期:1/27〜5/6
こちらでもあたらしいインスタレーションを発表します。規模も大きいです。


その4
水戸芸術館「夏への扉-マイクロポップの時代」
オープニング:2月3日(土)*松井みどりさんのトークもあります。
会期:2/3〜5/6
こちらでは旧作のビデオ8本をあたらしくインスタレーションしなおし、立体作品を追加してます。


以上の展覧会を見ていただくことでぼくがここ3年ぐらいの間になにをやろうとしていたのか(というか作品を発表し始めてから7年ぐらいの間になにを考えてきたのか)をある程度わかりやすく把握していただけるのではないかと思ってます。とくに国立新美術館での展示は、2004年の個展(群馬県立近代美術館)のバージョンアップ版のようになってます。映像や写真やそこに使われているもののそのままさをより切りつめてきているので、なんであるのかはわかりやすくなってきていますが、意味も無意味もなにもなくなってきているように思います。そのぶん、より楽しく見ていただける気もしますが、はてさて。ともかくご興味のあるかたはぜひともこの機会をお見逃しなく、よろしくお願いします。とは田中功起本人の弁なり。

2000年のトークながら小山登美夫の話は興味深い。
今僕は、2月3日オープニングの「夏への扉」展と2月9日オープニングの岡山県美の「東島毅」展の両方を考えないとならない状況にある。カタログの原稿の依頼も受けている。岡山県美には2月17日ギャラリートークにお邪魔する。(どうでもいいことだが、翌18日はこずえホールで藤さんと野村誠さんが関わるステージを見に行くよ。)
「東島毅」展との接点は、僕が彼の作品を含んだ絵画の企画展を1995年に開催しているからだ。
1995年は悩ましい。1月に阪神淡路大地震も3月にオウム・サリン事件があった年だ。
10年を経て僕が手がけている展覧会「夏への扉」はまさに1995年を立ち上がりにするものだ。そんなわけで1995年について調べたり、小山登美夫ギャラリーについて検索したりして、10年の月日が持つ可能性を改めて実感しているわけだ。2007年+10年=2017年の時点で振り返ると、2007年もそれなりに重要なことが芽生え、確認されるのだろう。
「10年の計」を考えてみるのも悪くない。が、「1年の計」を立てるよりも早く、日常が進んでいる。展覧会が2月3日に開き、しばらくして落ち着いたら、ちょっとばかり、考えてみることにする(かな)。だが3年先の2010年のことも見えていない。でも、見えていないから自由に考えることもできるわけだ。個人的には2009年1月終了の展覧会まで4本抱えている身。確かにそこまではリアルだ。既定路線に入る前を思い描く遠目の必要を感じるな。それには情報量が要る。今日のブログに長谷川さんが「文化資本」について論じていたけど、さしずめ「情報資本」かな。2月になって時間が取れるようになったらまた動こう。「情報資本家」になれるようにだ。

Posted by 森司 at 16:39 | 雑記帳











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