水戸芸術館「大友良英/アンサンブルズ2010」

水戸芸術館で開催されている「大友良英/アンサンブルズ2010─共振」のオープニングレセプションに行ってきた。今回ぼくはポスター、フライヤーなどの広報物をデザインしていて、今後は展覧会をまとめたDVDを制作する予定。担当キュレーターの竹久侑さんと仕事をしたのは、今年の初めに行われた「リフレクション/映像が見せる“もうひとつの世界”」以来2回目。竹久さんにはあらためてこのブログのためのインタビューを受けてもらうことにした。

「大友良英/アンサンブルズ2010─共振」

「大友良英/アンサンブルズ2010─共振」

さてさて

ぼくは90年代からずっと大友さんの音楽を聴いていたので(ライブで見た回数はこれまででは最多だと思う)今回の仕事を手がけることができたのはこの上なくうれしかった。余談だが、今回のデザイナーのチョイスは大友さんによるものだそうで、その理由はどういうわけか「顔がいいから」(笑)。これまでぼくが作った作品は全く見ていなかったという。この件もそうだが、制作の際、大友さんのこの何とも言えない直感に幾度となく助けられた。

展示概要を見ればわかるとおり、タイトルこそ大友さんの名前が冠されているものの、この展覧会には多数のアーティストが参加している。実際、どのようなプロセスで展覧会としてまとめられたのかは会場を見ただけでは想像がつかないが、展示会場の一部を担当したアーティストの中崎透くんによれば、大友さんの先ほどの妙な直感や制作スタイルはとても「バンド的」であり、事前に精巧なプランを練り上げるよりも、バンドのように一音出してから連鎖的にアイデアが生まれてくる、というような相互的な展開だったようだ。

レセプションの後、中崎透くんが運営するオルタナティブスペースにも足を運ぶ。水戸芸から徒歩5-6分の場所にあるこの「きわまり荘」をはじめ、水戸周辺にはアーティストが構えるオルタナティブスペースや店舗が点在しているそうだ。しかも、「きわまり荘」はほとんど水戸芸のアネックス的な存在(?)になっていて、関連企画を行ったり、その日も水戸芸の学芸員の方がぼくらといっしょに朝まで飲んでいたりと、ちょっとすごい。公共のスペースとオルタナティブスペースがこんなふうに連携しているスタイルは結構稀なのかもしれないが、どうだろう? この件についても今後のインタビューで聞くことにしよう。

ブロガー:加藤賢策
2010年12月6日 / 05:07

2件のコメント

  1. [...] This post was mentioned on Twitter by 河村書店, artscapeJP. artscapeJP said: 【ブログ更新】加藤賢策 @katokensaku 「水戸芸術館 @MITOGEI_Gallery 『大友良英/アンサンブルズ2010』」 …事前に精巧なプランを練り上げるよりも、バンドのように一音出してから連鎖的にアイデアが生まれてくる… https://artscape.jp/blogs/blog3/1529/ [...]

    ピンバック by Tweets that mention 水戸芸術館「大友良英/アンサンブルズ2010」 « artscape blog -- Topsy.com — 2010年12月7日 @ 15:39

  2. ダブル コンサートに興味があります。

    リフレクションのフライヤーも品があって、内容もよく伝わっている感じがして格好が良かった。
    そうですか、あれらをデザインされたのですね。
    ツェ・スーメイ以降、水戸へは行っていないのですが、たまにきわまり荘でいただいた朝食のことを思い出します。

    どうなるかわからないけれど、
    ぼくは、焼肉につられて、展示をしてゆきます。
    内容は、しぶく、状況は過酷かも。
    http://goso.exblog.jp/11636157/

    よろしく。どうぞ。

    コメント by 富永 剛総 — 2010年12月8日 @ 01:14

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