2010年1月〜6月
2010年になり、トリエンナーレの準備も進みます。
キュレーターチームでは、出展作家の確定やパフォーマンス、イベントの日程調整などの会議が続きます。
アーティストも会場下見や作品のためのリサーチに名古屋にやってきます。
同時進行でまちなかの会場の確保をしなくてはなりません。
長者町は、100m×100mの街区が碁盤割で16区画ある地域です。
メイン通りでは展示室を密集させながらも、長者町内を歩き回りながら楽しめる展開にするため、前年の3倍の会場数を目標に交渉が始まりました。
まずは、調査を開始します。
アーティストと展示会場の決定はおおまかに2つのパターンで行っていきます。
①会場に合わせて作品を制作/展示していくパターン
映像作品や、空間に合わせてインスタレーションを作っていく作家のためにフラットな空間または長者町特有の空間を確保し、アーティストのイメージに合った空間をプランと擦り合わせながら選んでいく。
→使う、使わないに関わらず多くの空間を確保して選択の幅を広げておく。
②アーティストのプランに合わせて会場を探すパターン
作品のプランや大きさにあわせて会場を探す。この場合、作家と下見をしながら、何カ所か候補を上げ、サイズや空間のイメージに近いものから交渉していく。
→オーナーにプランを説明しながら、実現に向けての調整
今回はすべての会場を無償提供でお願いしているため、賃貸物件ではない空き物件を中心に探します。
展示に使えそうな物件を地図上にプロットしていきながら、まちからも情報を集めます。
可能性がありそうなビルには、推進チームの会議で取り上げ、そのオーナーとつながりのある協力者に仲介してもらい交渉に向かいます。
繊維組合の理事長や長者町会長など多くの方に協力いただき、ようやく6月はじめにすべての会場が確保できました。
http://aichitriennale.jp/access/chojamachi.html
会場数は23カ所、床面積で合計約2800㎡。
(愛知県美術館5900㎡/名古屋市美術館1300㎡/納屋橋会場(元ボーリング場)2500㎡)
全体からみても、長者町地区は予定以上に大きな規模となりました。
展示作家は26組+企画コンペ作家12組の計38組。
残り約2ヶ月でいよいよ展示のための準備がはじまります!