長者町のお祭り”ゑびす祭り”ではKOSUGE1-16の大プロジェクト《長者町山車プロジェクト かたい山車》の練歩きが行われました。このプロジェクトは2009年のプレイベントから2年間かけて準備された作品です。今回は、このプロジェクトを振返ります。
2009年、長者町プロジェクトの出展のため、KOSUGE1-16(土谷享・車田智志乃)は長者町を訪れました。長者町の町の歴史や、景観、建物、働く人々、そのリサーチの中から、毎年開催されている”ゑびす祭り”の中でお祭りに「御神輿と担ぎ手を借りて来ている」ということを聞きました。もともとは、この地域では通りごとに山車があったのですが、戦争で焼失してしまいその後復旧されていません。ここから長者町オリジナルの現代版の山車をつくるプロジェクトが始まりました。
まずは、2009年の長者町プロジェクトではこども山車としての機能を持つ、《やわらかい山車》の制作から始まりました。
展示会場となったのは、古い繊維問屋の建物。反物を上げ下げしやすいように吹き抜けになっていたり、作り付けの棚があるなど、特徴的な空間です。
1階部分を開放し、制作現場を公開しながらの制作となりました。
素材は、繊維街から不要な素材を提供していただきました。
多くのボランティアさんや、まちの人々の協力によって綿や布、装飾部品などを取り入れたソフトな構造をもつ巨大なぬいぐるみ山車が完成。
子供が少なく公園を持たないこの地域の特徴を読み解き、子供の居場所としての機能も合わせ持っていました。