遠距離取引の実際

インターネットが発達して私のような仕事はどこでも仕事ができると言われます。実際やってみるとどうでしょうか。

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結論からいうと「可能」です。「可能」ですが「もどかしい」かもしれません。

打ち合わせに関しては宮崎在住だと皆さん気を使ってくれて(…というより交通費を請求されたくない?)、よほどのことがないと行くことはありません。ほとんどメールや電話、skypeで済んでしまいます。ただskypeはちょっと一癖あるなと思いました。

まず気軽に打ち合わせができるということは、裏を返せばいつでもオフィスがつながるということです。あらかじめきっちり時間を決めて望まないと、同じ会社内にいるような感覚になり、ちょっと何かあるとskypeでミーティング。これで結構ペースを乱されてしまいます。今まで通り、お互いにある程度要件がまとまったところでメールなり電話なりで連絡し、打ち合わせとしてskypeミーティングをセッティングする形にしないと大変なことになります。

もう一つ大事なのは音です。特に1×多数の打ち合わせで相手が会議室などの場合、遠くの人の声が聞こえないと、向こう側の会議室の雰囲気に乗り遅れてしまうことになります。会議室の机の中央にマイクを置くような工夫をしないと重要な発言を聞き逃し、「ノリ」のようなものを阻害してしまいます。また、どうしても相手方がskypeの人に気を使いながら会議をしてしまうので、skypeの人中心に話が進みがちです。音の問題を解決するためにも、できればみんながskypeで話すのが理想だと思います。

一番もどかしく感じたのは、手元で描いたラフを見せる時です。手元に書いたラフを画面に向かって見せた時、「見えますか?」「あ、見えました。」みたいなやりとりをしていると、本当に相手に伝わっているのかどうか、そのラフに対する反応が温度として伝わってきません。考えてみれば、実際の打ち合わせでは相手の反応を感じながらラフを描いたりしますよね?あれがないんです。

私はデザイナーは読心術のようなものを持っていないと務まらないと思っています。相手の息遣い、表情のちょっとした変化を決して見逃さず、知らず知らず相手の反応から心を読み取り、それに見合った最良の答えを導き出す仕事ともいえます。

skypeだと話はできるのですが、行間が読み取れない。「可能」ですが「もどかしい」というのはそういうことです。やはり直接会って話した方がいいに決まっています。特にプロジェクトが始まる最初のオリエンぐらいはできれば直接会って話したいものです。

幸いこちらの事務所として借りているマンションの家賃は月18,000と恐ろしく安いので、交通費はその差額ぐらいに考えてできるだけ足を運ぼうと思っています。

ブロガー:加藤潤一
2011年11月21日 / 09:42

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