放課後とアートプロジェクトのこと

こんにちは、臼井です。ブログ2回目の投稿です。もう12月も半分が終わりましたね。書類の整理や作成に苦心しています。というのも、来年度のNPO法人の立ち上げに向けて準備中なのです。「NPOにする!」と決めたのは今年の4月だったのですが、現場を駆け回っていたら気づけば年末。あわわわわ。

さて、このブログではテーマを〈子どもの放課後とアートプロジェクト〉とさせていただきました。NPO法人化の背景には、ここ3年ぐらいで「児童館」や「学童保育所」、放課後の校庭や空き教室のクラブ活動(「放課後子どもプラン」)の運営がどんどん民間に委託されていることがあります。いろんな人が教育や福祉に参加する仕組みが開かれていくこの流れに乗ってけ、というわけでNPO法人化を決めました。といってもNPO法人は世界にたくさんあるので、先輩たちの活動から学ぶことも山ほど。どうやってこの「法人」なるものを動かしているのか、ヒアリングをさせてもらっています。(ご協力いただいているみなさま、本当にありがとうございます!)

〈放課後とアートプロジェクト〉については「アーティスト・イン・児童館」でも活動開始以来テーマにしていることなのですが、ぼくのイメージに近いのは、湯本香樹実さんの小説『夏の庭』です。これは夏休みの少年たちが、一人暮らしのおじいちゃんを「観察」し、その死の瞬間を目撃しようとたくらむ物語なのですが、その「観察」が老人にばれ、草むしりを手伝ったり、スイカを一緒に食べたり、交流の軌跡が描かれていきます。一人の老人の生活を通して、少年たちが「死」というわかりえないものに出会っていくこの物語の感じが、ぼくはすごく好きなのです。

「一人暮らしの知らない老人」「老人の生活」そして、「死」。子どもにとって身近であるはずの遠い存在とひょんなことから接触を持つことになる。子どもが自分自身で行く場所や体験を選べる「放課後」という時間で、アーティストが街の中で実践しているプロジェクトに出会うことは、この『夏の庭』に描かれる、少年たちと老人の関係に近いんじゃないかなと思うわけです。「アーティスト・イン・児童館」では、この出会いの「仕組み」を多様な形で再現しようとしています。『夏の庭』のような日常の裂け目が、どんな街でも見つけられるように。

ぼくの立場としては、「アーティスト・イン・児童館」の実践者であることは第一なのですが、〈放課後とアートプロジェクト〉の事例を調べ、アーカイヴをつくっていきたいと考えているところです。このブログがその事例収集のきっけになるといいなと思いながら

3回目につづく!

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活動紹介01:アーティスト・イン・児童館2011西尾美也プロジェクト《ことばのかたち工房Pro》

毎回、ブログのおわりにこれまでの活動を紹介していこうと思います。『夏の庭』ということで、夏の活動を1つ。今年の夏、練馬区立東大泉児童館で西尾美也さんが立ち上げたファッションブランドのショーを開催しました。その際にショーのモデルを児童館の子どもたちがスカウトにいったのですが… 映像でごらんいただけます→ http://jidokan.net/project/formonwords/

Form on Words Trailer 20110808 from ArtistinJidokan on Vimeo.

このファッションブランド「Form on Words」は、現在はマイクロパトロンプラットフォーム「CAMP FIRE」にてパトロンを募集しています。→ http://camp-fire.jp/projects/view/127

ブロガー:臼井隆志
2011年12月14日 / 21:09

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