まずは、の決意表明

2010 年7月16日にオープンした滞在型アートスペース・かじこは、走り出して(出帆して)20日ほど経ちました。岡山市内には旭川という大きな川が流れていて、かじこはそのほとりにある古民家です。小舟のようだと思います。

舟が進むにはこぎ手がいるように、かじこが進むにもこぎ手となる人がいります(「かじこ」とはもともと航海術の用語で、「舵取りをする船員」を表すそうです)。かじこには船頭(プロジェクト・ディレクション)役が3人。そのまわりに、「かじとりスタッフ」と呼ばれる人たちが十数名(この層がいわゆるかじこの「管理人」です)。そしてかじこにて展示を行うアーティスト、かじこに滞在する旅行者、ご近所の方、展示を見に来たお客さん、いろんな人がかじこに立ち寄り、かじこを少しだけ進ませて、また去っていきます。

大事なのは、舟をこぎ続けられる人(ずっと乗っていられる人)は誰もいないということだと思います。かじこがオープンしている約100日間、滞在し続ける人も、スタッフとして常駐する人もいない。かじこのすべてを把握することは誰にもできません。

誰もがかじこに関わることができて、でも誰もかじこを自分のものにすることができない。そんな、オープンスペースであるゆえにかじこが孕む宿命みたいなものを、いまの自分は強く感じています。一時的に・一部だけ、かじこのかじとりをすることができるという点において、スタッフも滞在者も、アーティストもご近所の方も、常連さんも一見さんも、等価になる気がしています。そして自分にできることは、管理人としてのかじことの接点を記録していくこと(「管理人」=「このブログの執筆者」は複数存在します)。雑多な点と点をむすんでどんな航路が描けるのか、いまの時点ではまったく予想がつかないので、10月末がたのしみです。

かじことともに進んでいくブログです。よろしくお願いします。

ブロガー:「かじこ|Kajico」管理人
2010年8月11日 / 00:44

1件のコメント

  1. [...] このブログの2回目で、おそるおそる岸を離れたと思っていたかじこは、実はずっと旭川のほとりに停泊していたのでした。日本全国から延べ340人ほどの人が訪れて、小舟の様子をいいね!とほめてくれて、またそれぞれの場所へと帰っていきました。 [...]

    ピンバック by いってらっしゃい、かじこ « artscape blog — 2010年10月31日 @ 23:59

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