2024年04月09日掲載
建築アーカイブズをひらく Vol. 1―愛仁建築事務所資料
京都工芸繊維大学 美術工芸資料館
- 会期
- 2024年04月08日~2024年04月20日
カルーセル
--
「建築アーカイブズをひらく」シリーズの最初は、坂尻一郎(1899-1975)が1921年に京都で立ち上げた愛仁建築事務所の資料群を取り上げます。
愛仁建築事務所は、自動車販売業を営む日光社の七条営業所(現・富士ラビット、1923年頃竣工、登録有形文化財)の設計者として知られています。2021年に京都市京セラ美術館で開催された「モダン建築の京都」展では、京都駅近くに現存するその建物の設計図面が展示され、大きな話題を呼びました。それは、建物同様の美しく力強い図面表現のためだけではなく、知る人ぞ知る存在であった愛仁建築事務所の仕事が具体的な記録としてはじめて明かされたからでもありました。同展の終了後、ご縁があって、愛仁建築事務所の資料群が京都工芸繊維大学美術工芸資料館に寄贈されることになりました。同館は現在、教員や学生とともに、収蔵・登録に向けて資料群の整理を進めています。この展覧会では、2023年度の作業から見えてきた愛仁建築事務所の活動と資料群の特徴を、日光社関連資料を中心にご紹介します。
遺された図面や文書には、事務所、店舗、旅館、学校、工場、邸宅、長屋、料亭、茶室といった建物だけでなく、ポスター、看板、茶器、石碑、乗合自動車の内装、橋にいたるまで、さまざまなデザインの記録が含まれています。その施主は、自動車、新聞、映画といった近代の大衆文化を象徴する事業の関係者が目立ち、公私にわたって複数の仕事を依頼した例も少なくありません。施主の要望に応えてさまざまに取り組まれ同所の仕事は、メディアを賑わす先端的な建築表現の建物とも、伝統的な建築物とも異なる表現で、京都に暮らすひとびとの日常を彩りました。その実態を記録した資料群は、近代京都のまちを理解する重要な手掛かりとなるはずです。
- 展覧会名
- 建築アーカイブズをひらく Vol. 1―愛仁建築事務所資料
- 分類
- 企画展
- 会場
- 京都工芸繊維大学 美術工芸資料館
- 会期
- 2024年04月08日~2024年04月20日 Googleカレンダーに登録
- 休館日
- 日・祝日
- 観覧料
- 一般200円、大学生150円、高校生以下無料
*大学コンソーシアム京都に加盟する大学の学生・院生は学生証の提示により無料
*身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳または被爆者健康手帳をお持ちの方及び付添の方1名は無料(入館の際は、手帳の提示をお願いします) - 住所
-
606-8585 京都府京都市左京区松ヶ崎橋上町
- 公式サイト
- https://www.museum.kit.ac.jp/20240408a.html
- お問合せ先
- 075-724-7924