今年、生誕400年を迎える北村季吟。

江戸時代前期を生きた季吟は、源氏物語の『湖月鈔』、枕草子の『春曙抄』など、古典の注釈書を多く著しました。それらが広く、そして明治時代にいたるまで長く読み継がれてきたことで知られている人物です。彼は医を修め、俳諧師としても一門をなし、晩年には江戸幕府の初代歌学方にも就いた、まことに多才なひとかどの文化人でもありました。

そして、その俳諧の一門のなかに松尾芭蕉がいます。

古典や和歌を通じた人格錬磨を俳諧師にも求めた季吟。その門から出でて風雅を追求し、師風を離れて独自の世界を築いた芭蕉。

本展覧会では、季吟と芭蕉の自筆資料を中心に展示し、この師弟の人生を辿ります。