和歌山県に生まれた川端龍子(1885-1966)は、洋画家として出発しますが、大正3(1914)年に日本画へ転向、再興日本美術院展(院展)で活躍し、脚光を浴びました。しかし昭和3(1928)年に院展を脱退、翌年に在野の日本画団体・青龍社を設立。「会場芸術」を唱えて大作を次々に発表し、人々を驚かせました。画壇に新風を巻き起こした龍子は、戦後も精力的に制作を続け、昭和34(1959)年には文化勲章を受章しました。
また俳人としての顔もあった龍子は、戦後、松尾芭蕉の「奥の細道」を巡る旅を5度にわたって行いました。その途上で訪れた平泉では、中尊寺を題材とした作品も制作しています。...
本展は、50年以上にわたった龍子の画業全体を探るものです。初期の洋画・院展時代の力作をはじめ青龍社設立から晩年までの大作やスケッチなど約100点にわたる作品をとおして、明治から昭和にかけて異彩を放った龍子の魅力に迫ります。圧倒的な迫力で迫る龍子の作品世界をお楽しみください。[美術館サイトより]