豊かな四季に恵まれた我が国は、自然を通して季節の移ろいを感じることができます。
 中でも厳しい暑さが続く夏、古来自然と共生しながら暮らした人々は暑さをしのぐ為、調度や衣類に風通しの良い素材を用いるなど様々な工夫を凝らして涼を取り入れたほか、爽やかな色彩や、風鈴の音色など五感から涼を感じとり夏を楽しみました。そのような工夫は我が国ならではの夏の楽しみ方のひとつであり現在にも受け継がれています。
 本展では、明治神宮が所蔵する明治天皇・昭憲皇太后御物を中心に、涼しさを連想させる清涼感ある品々をご紹介いたします。
 作品を通して「涼」のひとときをお楽しみ頂ければ幸いです。