『裂罅』にいたる様々な道 1958〜1975

広島の美術界で大きな足跡を残した入野忠芳さん(1939〜2013)の展覧会を開催します。
入野さんは、広島の美術家を顕彰するヒロシマ アート グラントの第3回受賞者であること(1985)からも伺えるように、その作品は高い評価を受けてきました。アトリエでの制作のほか、広島市現代美術館を設置するきっかけとなった広島市文化懇話会の委員を務めたり、広島拘置所の外壁の壁画を制作したり(1989、2009〜13)するなど、美術に関する幅広い活動も行ってきました。
1975年、第11回日本現代美術展で大賞を受賞したのが「裂罅(れっか)」シリーズの1点です。以後、同シリーズを発展させた「波動」「流形」「風成」のシリーズを展開しました。本展では、その記念すべき「裂罅」にいたるまでの入野さんの制作の変遷を、ご遺族所蔵の作品群の中からセレクトして紹介します。画家が自身のスタイルを確立するまでの格闘、創造の過程をご高覧いただければ幸いです。

企画監修:出原均(アーツ前橋館長)

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本展は、当館が2023年度に実施した広島の戦後美術に関わる作品や資料のアーカイブワークショップ*において、入野氏が保管していた作品ファイルや文献を資料の対象にしたことが背景にあります。*広島市立大学の「広島芸術都市ハイヴ|Hiroshima Arts & City Hive」が「令和5年度文化庁 大学における文化芸術推進事業」の助成を受けて実施した人材育成事業プログラム