中世ヨーロッパでは、動物の皮でできた紙に文字を書き写して書物(写本)を作りました。その制作は分業で行われ、写字生が定型の書体で文字を書き写したのち、画家がページの余白や文頭の一文字を華やかに装飾します。修道院や教会にとって写本の制作と管理は重要な勤めであり、長い時間をかけて完成した写本は宝物として受け継がれ、人々の信仰を支えるとともに、知を後世へと伝える重要な媒体となりました。
本展では国立西洋美術館所蔵の内藤コレクションの中から、聖書や時祷書、聖歌集などの約140点を展示します。その大半は13-16世紀のもので、本から切り離された1ページ(リーフ)として後世に伝わりました。個々の作品には絵解きパネルを添え、写本の世界をより深く楽しく知っていただけるよう工夫を凝らしています。貴重な写本が一堂に会するまたとない機会ですのでぜひご覧ください。[美術館サイトより]