最小限の要素で高速に球が行き交う卓球の動的瞬間を見事に紙面に定着してみせた「世界卓球2015」や、フェンシングの選手の躍動的な身体とともに剣の軌道を美しくも科学的に視覚化した「Visualized Fencing. Yuki Ota Fencing Championships 2014」のポスターなど、力強いヴィジュアルメッセージが印象的な上西祐理さん。
今秋、ギンザ・グラフィック・ギャラリーで個展を開催するにあたりあらためて自分と、自分のデザイン活動と向き合ってみてくれました。「大好きなものに囲まれて、関わって、生きていきたいとの想いからデザイナーになり、私が作るものがまた、誰かにとって大切な何かになるようなものでありたいと思ってやってきました」と語る上西さんは、どこまでも正直で、作り出すデザインからもその誠実さが伝わってきます。
本展では、そんな上西さんの現在地点を飾り立てることなく紹介します。1階に大小様々な印刷物=Printed Matterの新作を、地階にはこれまでの仕事のアーカイブを、街中の壁や柱に貼られるポスターや、本棚やラックに置かれる本、といったように、日常的にグラフィックが貼られたり置かれたりするように配します。展示を見るという体験ではなく、上西さんの好きなモノや美意識を一緒に楽しんでほしいと思います。旅が大好きな上西さんのお宝も登場します。
そして1階は2週間ごとに展示替えをします(予定)。少しずつ変わっていく、進行形の上西祐理展にどうぞご期待ください。[公式サイトより]