徳川家康は、江戸幕府を開いた翌年の慶長9年(1604)、諸大名に「国絵図」と「郷帳」の提出を命じました。国内統治の基本である国土の把握としての国絵図作成事業は、これ以後、正保期、元禄期、天保期の4回に及びました。民間では、江戸中期以降、木版刷りの国絵図が刊行されるようになり、多くの人々の知的好奇心を満たしてきました。
こうした今日の都道府県地図に相当する一国単位の国絵図は、その時々の作製契機を色濃く反映したものになっています。本展では本館新所蔵の三河国絵図を中心に、多彩な絵図を読み解き、その魅力に迫っていきます。