関西圏を主な拠点に制作を行うアーティスト6名によるグループ展。重なり合うバックボーンを持つ美術作家達が、それぞれの活動を振り返る。
ジャンル、世代を超えた活動の核を土中にある球茎(Corm)に例えて、各々の探索の在り方を展覧する。
美術作家としての歩み、またその連続である「歩(ほ)の流れ」を通わせ束ねるように、それらを活性化し表現すると共に、今後の個々の活動における発展を目指す。
作ることはすなわち制作者のアイデア、思考、感情と肉体の繰り返す蛇行である。水の循環に土中に染み根(Corm)を育む側面があるように、バックグラウンドを振り返ることは改めてそれを認識し、豊かにすることでもある。
己の為であり他の為である表現の宿す喜びを感じながら、異なる歩みと流れ、軌跡が呼応するような新しい試みが目指されている。

日本画というジャンルで、少女という独自のモチーフを連綿と描く原田有希。
「街の記憶」を外壁の風化に見出し、絵画によって再演を試みる新村葉月。
命というエネルギーや血脈、全てが同一である感覚を彫刻化するF.きりたさゆり。
複合的なメディアにより生み出される「詩性」によって自他の鎮静を目指す村田宗一郎。
絵画空間において、緩やかな流れとその中にある確かなものを描く斎藤真凜。
自他の身体的なイメージの写真・映像を反復させることで異なるストーリーを導き出す前田香奈。