椅子の機能は、座る姿勢を支えるというだけにとどまりません。身体の似姿として、権威の象徴として、あるいは思い出の住処として、椅子は様々な意味や象徴性をまといます。アーティストたちは椅子と結びつく多様なイメージをとらえ、作品を通じて社会の中の不和や矛盾、個人的な記憶や他者との関係性などを浮かび上がらせてきました。
本展では、現代美術における椅子の表現に着目し、椅子という身近な存在から社会や人間の有り様を考察します。