IM MEN デザインチームの様々なアイデアがプロダクトになるとき、そこにはいつも布があります。
それぞれの服に最も適したテキスタイルを開発することで、合理的なデザインに美しさが宿ります。
その上で、取扱いの簡単さや着心地にも徹底的にこだわることで、実用的で機能的なプロダクトを生み出してきました。

手仕事のもつ魅力を布に落とし込み、IM MENのプロダクトとして仕上げたのが、「HOGUSHI」です。
シリーズ名の由来となった「ほぐし絣」は、仮織りしたタテ糸に柄を捺染し、ヨコ糸を抜き、タテ糸をほぐしながら織り上げる技法です。織るときにわずかに糸がずれることで、柄が滲んだような表情に仕上がります。

ひとつとして同じものは生まれない、「ずれること」を前提としたこの技法には、曖昧な心地よさや美しさが潜んでいます。
理由なく感じられる、「手の温もり」や「職人の技と心」のような価値を、プロダクトとして提案したい——「HOGUSHI」は、プロダクトとクラフトの境界をほぐすような、ものづくりへの挑戦です。

本展では、足利でつくられている「ほぐし絣」の工程と、IM MEN デザインチームがその手仕事のなかに見出した、強さや心地よさ、美しさをご覧いただけます。