近代写真の父アルフレッド・スティーグリッツが芸術としての写真の確立に努めてから100年以上が経ちますが、写真はどのように発展し、見られ、語られてきたのでしょうか。本展では、日本の美術館で先がけて大規模な写真コレクションを築いた京都国立近代美術館の写真コレクションを中心に、19世紀末から現在に至るまでの68作家・180点余で、多様に広がる写真表現の変遷をたどります。
本展の核となるのはアメリカの写真収集家アーノルド&テミー・ギルバート夫妻が収集した「ギルバート・コレクション」です。各時代を代表する写真家の良質なプリントが含まれるこのギルバート・コレクションを基点としながら、写真が紡いできた様々なものがたり(ストーリー)を紐解いていきます。プリントされ、物質化した写真と向き合うことで、デジタル技術の普及とともに身近な存在となった「写真」の奥深さが浮かび上がってくることでしょう。

【主な出品作家】
エドウィアード・マイブリッジ/アルフレッド・スティーグリッツ/エドワード・スタイケン/ポール・ストランド/野島康三/エドワード・ウェストン/アンドレ・ケルテス/ブラッサイ/アンリ・カルティエ=ブレッソン/木村伊兵衛/東松照明/ロバート・キャパ/ W ・ユージン・スミス/カール・ブロスフェルト/ベルント&ヒラ・ベッヒャー/杉本博司/森村泰昌/トーマス・ルフ/やなぎみわ