今から150年前の1874年4月、パリでは第一回印象派展が開催されました。その時の日本は改元間もない明治7年にあたります。
日本近代美術の礎を築いたのは江戸時代の終盤に生まれた人たちですが、今回取りあげる1874(明治7)年生まれの画家たちは、明治の後半から昭和戦前戦後の時期に活躍した、いわば近代の屋台骨を支えた人たちです。
当ミュージアムのコレクションでは、三宅克己(1874-1954)、中澤弘光(1874-1964)、小室翠雲(1874-1945)、池上秀畝(1874-1944)、鹿子木孟郎(1874-1941)、満谷国四郎(1874-1936)、和田英作(1874-1959)が該当します。いずれの画家たちも近世江戸文化の名残を体験しながらも新たな時代を切り拓き、美術の振興に影響を与えた人たちで指導者としても尽力しました。
今日これらの画家たちは忘れ去られつつありますが、一生涯を芸術に捧げた実力派の画家たちがこれほど多く生まれた年も珍しいことです。生誕150周年の記念の年に、いぶし銀ともいえる作品の数々をぜひご堪能ください。
【会期中の催し】
・学藝員によるミュージアム・トーク 11/17(日)、1/11(日)
・学芸員によるスライドトーク12/8(日)「近代絵画の繊細さと可愛さと」
              2/8(土)「博物館概論その2 建築・施設と機能」
いずれも詳細はウェブサイトまたはX(旧Twitter)でご確認ください。