「花」をテーマにした美術作品は多くありますが、自然に咲いている草花を写生したもの、植物を文様として意匠化したもの、人物や動物など他の題材と組み合わせたものなど、表現の仕方は様々です。また、特定の題材とともに描かれることで意味を持つ作品もあります。富裕や長寿を寓意とする草花や動物等を描いた「花鳥画」、冬の厳しい寒さに耐えて凛とした姿を見せる松・竹・梅を描いた「歳寒三友」などは、中国絵画の影響を受けて日本で広く描かれるようになった画題です。

 本展では、所蔵品の中から花をテーマにした作品を展示するとともに、美術史のなかで画題にされてきた植物について、故事や説話とともにご紹介します。日本画、洋画、工芸など、分野を横断した「花にまつわる」作品の数々をお楽しみください。