版画家であり、現在では法廷画家としても活躍する松元悠は、日々過ぎ去っていく様々なニュースや担当した裁判から、どこかひっかかった出来事を題材として作品を制作してきました。松元は出来事の当事者がいたであろう土地に実際に足を運び、そこでの体験を元に自身の顔と想像を重ね合わせて当事者像を描きます。他者と向き合った個人的な記録として作品がある一方、その背景からは、家族の複雑な関係や、様々な形で残る戦争の痕跡など、私たちにもどこか覚えがありつつ、いつの間にか意識されなくなってしまった問題を見出すことができます。
本展では版画作品に加えて、展示のたびに作品を振り返る中で作られた、壁新聞や漫画といった関連資料を併せて展示します。作品や資料に垣間見える他者の姿を通して、私たちの周囲に沈んでいた様々な問題が再び浮かび上がってくるのです。



・イベント
事前申込不要、当日展示室にて実施

○作家によるギャラリートーク
2025年1月18日(土)15:30-16:30

○担当学芸員によるギャラリートーク
2025年2月1日(土)、3月1日(土)14:30-15:30