『古今和歌集』に詠まれる「花」という語が多くは桜を指すように、古来より桜と文学の間には深い結びつきがあり、桜を題材とした作品が数多く作られてきました。詩歌や小説、随筆に表された桜は、時を超えて咲き誇り、人々の心を魅了し続けています。
日本古来の山桜・里桜保護に努めてきた笹部新太郎氏は、桜研究の一環として多数の桜に関する美術工芸品を収集していました。掛軸や短冊、陶磁器などその形態は多岐にわたります。今回は笹部氏のコレクションから、桜と歌に関する作品を中心に展観いたします。桜と共に花開く、情趣豊かな詩歌の世界をお楽しみください。

【西宮市100周年記念事業 春季展「桜歌爛漫」展示関連講演会】

講演会①「根に帰る花のすがた――桜画派〈三熊派〉をめぐる新知見」
開催日時:2025年3月29日(土)13時30分~
講師:今橋 理子 氏(学習院女子大学 教授)
【講演概要】
画家はなぜ桜花の「根元」を描いたのか――。近年明らかになった桜画家たちの実像と共に、三熊思孝に始まる彼らの桜画の造形美を、古典詩歌との関わりのなかで再発見します。

講演会② 笹部さくらゼミナール 特別編 「私の見た笹部さん」
開催日時:2025年5月17日(土)13時30分~15時
講師:北野 栄三 氏(毎日放送 顧問・元毎日新聞 記者)
【講演概要】
元毎日新聞の記者として生前の笹部氏を取材し、現・大阪府立北野高等学校の後輩でもある北野栄三氏。笹部氏との交流の思い出を語っていただきます。

記念館2階 視聴覚室にて、各日先着50名様までご参加いただけます。
参加費は無料です。(別途入館料要)