20世紀前半のパリで活躍した画家ルオー、ダヴィッド、マティス、シャガール。彼(彼女)らは油彩画のみならず、詩や小説など文学作品の挿絵を多く描いています。画商ヴォラールが発案した、芸術家のオリジナル版画を付けた限定本は「リーヴル・ダルティスト」(Livre d’artiste)と呼ばれ、美術愛好家や愛書家たちに好んで収集されました。また万国博覧会でも一部門が設けられるなど、「本」はこの時代、芸術家たちの新たな表現手段として広く普及します。
文学者や出版者、また版画工房とのネットワークの中で、画家たちは互いに影響し合いながら、テキスト(言葉)とイメージ(絵)の関係を熟慮し、自身の芸術表現を探究していきます。本展では当館コレクションから、1920~70年代に制作された「芸術家の本」とそのオリジナル版画など150余点をご紹介します。[美術館サイトより]