わたしたちは、大小さまざまな「生態系」の一部としてこの世界を生きています。現在、「生態系」という言葉は、自然環境における命の循環の仕組みを示す本来の意味を超えて、人間の知的・文化的な活動によって影響を受けた、都市生活の構造に対しても用いられることがあります。わたしたちはいわば、自分たちの生きる世界(社会的な生態系)を自らつくり出すことができる創造主にもなり得るのです。
ここに登場するのは、食べ物とそれを取り込む身体や、人間と動物が重なりあうような神話的なイメージを描き出す川内理香子の絵画や刺繍、外来種を含む動植物が生息する水槽をつないで循環させることで、生き物が影響し合うあらたなシステムを作り出す渡辺志桜里のインスタレーション、さまざまな場所の地下空間を滑走するスケーターたちを捉え、普段は目に見えない巨大な地下都市の存在を浮かび上がらせるSIDE COREの映像作品などです。
本展を通じて、自分たちそれぞれにとって、遠い理想郷ではない未来のユートピアとは何か、考えるきっかけになることを目指します。[美術館サイトより]

出品作家:川内理香子、小林エリカ、ユーイチロー・E・タムラ、渡辺志桜里、SIDE CORE、工藤麻紀子、奈良美智、佐藤朋子、さとうりさ、ナウィン・ラワンチャイクン、ジャン=ミシェル・オトニエル、藤井光、大巻伸嗣、斎藤麗、永野雅子、細川葉子、畠山直哉、和田礼治郎、蜷川実花(1期のみ)、松山智一(2期のみ)
1期:04月04日(金)~07月07日(月)
2期:07月11日(金)~11月16日(日)