中沢研は、多摩美術大学在学中の平川恒太の恩師であり、その指導を通し展示の際の空間への厳しさを学んだと平川は語っている。その後も作家として交流を深め、お互いの仕事についても良く知るところであるが、二人展として展覧会を行うのは初めての試みとなる。
作品と空間を意識するなかで現れる様々な「境界」がテーマとなる本展、作風が異なる二人の作品がどのような空間を作り出すのか非常に興味深い。
中沢研の作品は、空間を浮遊するドローイングの線のような繊細な鉄のオブジェを自然な緊張感を保ちつつ的確な距離感で配置し、構成するインスタレーションによって展示空間を掌握する。床から立ちあがるオブジェは、鑑賞者の立ち位置によってあらゆる姿を見せ、その場と呼応しながら時間を含めた独自の間を作り出す。...
平川恒太は平面作品を中心にコンセプチャルな作品を展開してきました。その作品は時に108個の時計の上に黒一色で福島第一原発の作業員を描いた作品や平面作品と音楽や映像を合わせた作品などキャンバス上の表現に収まらない空間への意識が見てとれます。[美術館サイトより]