サイトウミュージアムは2022年5月8日に開館、本年が3周年となります。精神科医である齋藤洋一によってコレクションの収集は行われてきました。作品の美しさのみならず、作家の制作に傾ける情熱や時代を超えて訴えかけてくるひたむきな姿勢に想いを寄せ、今も収集活動は続いています。
収集当初、これらのコレクションは「ホスピタル・アート」として、安らぎや生きがいを与えてくれる美術の力を治療に活かす役割を担ってきましたが、より多くの方々に作品との対話を楽しんでいただきたいとの思いから、三重県松阪の地にミュージアムは開館しました。
近世から現代にいたるまで、作家の有名無名に関わらず作品本位の収集によって、今日ではほとんど知られていない画家や、地方を舞台に活躍した画家の作品も多く含まれています。同じ時代に描かれた、様々な画家による作品を同じ空間で鑑賞することで、その時代が持っていた特色や画家たちの個性に改めて触れる機会となるかもしれません。本展は初公開を多く含む約80点を厳選、前後期に分けて絵画の様々な魅力を体験していただきます。

第1部 サイトウミュージアムの絵画
松阪にゆかりのある近世の池大雅から、20世紀後半の抽象作品までを、おおまかな時代や描かれた対象ごとにご紹介しています。同時代の画家たちは互いに交流していたこともあって時代ごとに特色が生まれるのは確かでしょうが、絵画という同じ媒体ゆえに時代を越えて共通する「何か」が、今回の展示作品から感じ取ることができるかもしれません。
第2部 特集展示・九州ゆかりの画家たち
作品本位で収集活動を行ってきたサイトウミュージアムに九州ゆかりの画家による作品が比較的多く収蔵されていることは、この地域の美術風土の豊かさを物語っています。藤島武二、岡田三郎助、高木背水、庄野伊甫や山本森之助といった明治から大正期にかけて活躍した画家、そしてその後を受け継ぎ昭和期を中心に活動した北島浅一や児島善三郎、中村研一、海老原喜之助などの錚々たる画家たち。当ミュージアムのコレクションのみで九州の絵画を語ることはできませんが、これまであまり紹介されてこなかった作品や、日常に描いた気負いのない作品などを含めてご紹介することで、一味も二味も異なる九州の美術風土の魅力に触れる機会となることでしょう。