画家・絵本作家の町田尚子は、絵本の物語を大胆な構図と繊細なタッチで描くことで、その文章が生きる空間を表現しています。町田尚子の座右の銘は「隙あらば猫」。童話や遠野物語、怪談絵本など、様々な物語の中で猫を主人公として、時に脇役として登場させています。描かれた猫たちは、毛並みから仕草、表情まで緻密に表現され、猫と暮らす町田の観察眼の鋭さ、そして猫を慈しむ眼差しが感じられます。
 本展では、『ネコヅメのよる』『なまえのないねこ』『ねこはるすばん』などの代表作をはじめ、デビュー作から最新作までの絵本原画や装画約250点を制作資料とあわせて紹介します。当館を題材に描きおろした作品も展示します。