1267年、鎌倉幕府の重鎮だった北条実時は、武蔵国久良岐郡六浦荘金沢(現在の横浜市金沢区金沢町)の菩提寺に、一人の僧を招聘しました。菩提寺の名は称名寺、開山となった僧の名は審海といいました。この時から、東アジアの本流の文化を伝える文物がこの地に集まり、日本中世の東国を代表する寺院の歴史が始まります。
 開館95周年を迎える神奈川県立金沢文庫は、称名寺の寺宝を守り伝えるために建てられた博物館です。本展示では、今や国宝であふれる宝蔵の至高の品々を開帳します。