十和田市現代美術館では、エルヴィン・ヴルムの日本の美術館での初個展を開催します。当館は、ヴルムの作品(《ファット・カー》《ファット・ハウス》)を日本で唯一常設展示しています。
オーストリアの重要な作家の一人であるヴルムは、石膏や金属といった伝統的な彫刻の素材だけでなく、写真や衣服、絵画といった多様なメディウムを用いて、彫刻表現の特性を探究し、その固定化された概念を拡張してきました。
本展では、彫刻の最も原初的なモチーフである人の身体を起点に、時間、量塊と表面、具象と抽象を巡るヴルムの作品を紹介します。衣服や家具といった身の回りの物質や、言葉の記号的な意味、あるいは社会のイデオロギーといった様々な要素に影響を受ける「人のかたち」の輪郭は、脆弱で可変的であり、自由な可能性を含むものです。ヴルムの作品は、時に面白おかしく、時に批評的に、社会に存在する規範・制度・権力の構造を炙り出します。
2024年の最新作である大型インスタレーション《学校》や、「皮膚」シリーズ、「平らな彫刻」シリーズなど、近年の作品を日本で初公開します。[美術館サイトより]