近代から現代にかけて描かれた日本画を中心としたコレクションから「空」と「水」に着目し、空間の広がりや水のさまざまな姿を印象的に表現した作品を紹介する展覧会です。

空と水-かたちがないけれど、そこにたしかにあるもので、絵画作品の大きな一隅を占めています。空は、近世以降に風景の重要なモチーフとして意識的に描かれるようになりました。画家たちは時間帯や季節、天気によって表情を変える空の変化をとらえ、繊細に描き出しています。いっぽう水は、時にゆったりとした川や海として見る者の心を落ち着かせ、またある時には激しく流れ落ちる滝となって画面に迫力をもたらします。

それぞれの作品に向き合うことで、描かれた場所の温度や、湿り気、動物たちの鳴き声や水しぶきといった自然が発する音にまで想像が広がることでしょう。さらには、作品にあらわれる作家たちの感性や技をもお楽しみいただければ幸いです。