みなさんは、野中兼山という名前を聞いたことがありますか?
 野中兼山は、今から360年ほど前、江戸時代に活躍した人物です。当時、現在の高知県は、土佐藩と呼ばれていて、山内家が藩主として治めていました。野中兼山は、この山内家の家老で、土佐藩の奉行職という役職につき、藩の政治を指導した人物です。今回の企画展では、おおよそ時間の経過に沿って、野中兼山の生涯と事績をご紹介します。
 ある研究者は、野中兼山のことを「時代に生き、時代をつくり、時代に殉じた偉大な政治家」と表現され、また別の研究者は「強い信念と、倦むことを知らない勤勉と、無比の創意をもって、土佐藩政に画期的な業績をあげた」人物と表現されました。
 江戸時代の土佐藩の土台を築いたといわれる野中兼山、その生涯は果たしてどのようなものであったのでしょうか。改めてその生涯と事績、そして兼山が生きた時代を振り返ります。