東京都現代美術館は今年、従来の展覧会の形式にとどまらない実験的なプロジェクトや、他の組織との共同事業を展開する新たな企画「MOT Plusプロジェクト」をスタートし、その一環として「MOT Plus ハン・ネフケンス財団との共同プロジェクト シャハナ・ラジャニ」展を開催します。

本展では、ハン・ネフケンス財団による「南アジア・ビデオアート・プロダクション・アワード」受賞者シャハナ・ラジャニの新作映像インスタレーションを展示します。
パキスタンを拠点に活動するシャハナ・ラジャニは、自国の開発や軍事施設の建設などによる環境破壊に晒された土地や人々を調査し、映像を中心に記録し作品として発表することで、占拠や破壊に伴う消去の暴力に抗う芸術的実践を、人々との協働を通じて展開する作家です。
今回展示される、3つのスクリーンで構成される新作映像インスタレーション《回復のための四つの行為》では、インダス・デルタの現在の状況と、そこに生きていた人々がつなぎとめようとする風景との隔たりと重なりに観る者を招き入れます。