SHUTLリニューアルの柿落としとして、現代美術家・タムラサトルによる個展を開催いたします。タムラは、作品から意味性や目的性を徹底的に排除することをコンセプトに、主に電力によって駆動する立体作品を制作してきました。本展では、タムラの代表作のひとつであるシリーズ作品「まわるワニ」の大規模インスタレーション《スピンクロコダイル・ガーデン》を、約3年ぶりに公開します。

今回の展示では、東銀座に位置するSHUTLの空間にあわせて、小さな2体の「まわるワニ」を起点に、約500体におよぶワニたちが展開されます。ウレタンやスチロール、ペーパークレイで制作された色とりどりのワニたちは、電力とモーターによって、ひたすら無目的に、ただ機械的に回転し続けます。その姿は、非現実的なまでのダイナミズムを空間にもたらし、観る者の知覚に静かに揺さぶりをかけます。小さいワニには、それぞれ名前が付けられており、無機質な運動にささやかなオリジナリティを添えています。

タムラの作品群は、既成の価値観に対して問いを投げかけ、鑑賞者の感性を刺激します。SHUTLの新たなスタートと未来に思いを巡らせる契機として、ぜひ本展をご体験ください。

【開催概要】
タムラサトル個展「レイという青いワニはまわるのに60秒かかるジョージという白いワニはまわるのに30秒かかる」

期間:2025年5月15日(木)〜5月25日(日)
出展作家:タムラサトル
協力:TEZUKAYAMA GALLERY / MAKI Gallery
入場料:無料
掲載写真:国立新美術館 2022 Photos by Kozo KANEDA