生命の根源である自然界のエネルギー。森羅万象を司り、豊穣と災禍をもたらすこの人智を超えた無限のパワーを象徴し、絹谷幸二が描き出した神々の姿。神話や神獣・神像が圧倒的な迫力で迫ってくる。そこには現代社会が抱える諸相が反映され、人類への警鐘が打ち鳴らされている。同時にそれは絹谷藝術に通底する「生きる智慧」を求める祈りの形象でもある。
自然への畏怖の念を抱き、一貫して安寧の世を問いかけてきた絹谷幸二が世界に送る、神気に満ちた熱きメッセージを前後期にわたって存分にご体感下さい。