とりわけ第二次世界大戦以前には芸術の都と謳われたパリ、あるいはフランスは、憧れの地として、数多くの日本人美術家たちを一世紀以上にわたって惹きつけてきました。そして、希望とともに渡仏した美術家たちの中には、1900年に開校し日本における女性の美術教育を先駆となってきた、女子美術大学の卒業生たちの姿も見出せます。
女子美術大学創立125周年を記念する本展では、大学美術館ならびに相互協力協定館である韮崎大村美術館の収蔵品から、フランスに魅せられた卒業生たちの作品を選りすぐってご紹介します。フランスに学び、女子美の歴史を綺羅星のごとく彩る卒業生や、「女子美パリ賞※」受賞者の作品は、女性美術家の存在を通じた日仏文化交流史という、新たな歴史の地平をも開くことでしょう。どうぞご期待ください。
※⼥⼦美術⼤学100周年記念⼤村⽂⼦基⾦「⼥⼦美パリ賞」は、創立100周年を記念して創設された褒賞制度のひとつ。⼥⼦美卒業⽣・修了⽣ならびに⼤学院在学⽣を対象とし、毎年1名の受賞者は、パリの国際芸術都市で1年間の研修滞在を行います。