溶け混ざり歪んで留まる。
皮膚感覚により知覚する熱と形態。
温覚は触覚へ、温度は形態へと移行し静かにそこに佇む。(鉄羅)

鐵羅 佑 Tetsura Yu
1998年 愛知県春日井市生まれ
2023年 京都精華大学 大学院芸術研究科芸術専攻 博士前期課程 修了
<展覧会>
2021年 「A-Lab Artist Gate2021」あまらぶアートラボ「A-Lab」(兵庫県)
     「六甲ミーツアート芸術散歩2021」六甲山(兵庫県)
     「三人展 介在する気配」スタジオツキミソウ(京都府)
2022年 「あまがさきアートストロール2022」阪神尼ヶ崎駅周辺(兵庫県)
     「芸術準備室ハイセン展2022」芸術準備室ハイセン(滋賀県)
     「瀬戸内国際芸術祭2022」高見島(香川県)
     「大地の芸術祭 越後妻有2022」旧枯木又分校(新潟県)
2023年 「キテミテ中之島 2023」中之島フェスティバルタワー・ウエスト2F(大阪府)
2024年 「キテミテ中之島 2024」中之島フェスティバルタワー1F(大阪府)
     「京都精華大学×ソウル市立大学交流展 828.45K-Come&Go」
     京都精華大学ギャラリーTerra-S(京都府)
     「MUSIC LONES ART 2024-MICUSRAT-」阪急サン広場(大阪府)
     「第19回月のアート展」ギャラリー月の庭(京都府)
     「第10回日本彫刻コンクール」日本芸術会館(兵庫県)
     「京都精華大学 芸術学部 助手展2024」京都精華大学対峰館ギャラリー(京都府)
2025年 「ACI AUDITION 2024 入選作品展」福岡アジア美術館あじびホール(福岡県)
<受賞>
2021年 「六甲ミーツアート芸術散歩2021」公募大賞準グランプリ
2025年 「大府市まちなかアートコンテスト」優秀作品賞
<パブリックコレクション>
2022年〜 彫刻作品「かすむ」 おおさか千島財団、パラドール北加賀屋敷地内。
2025年〜 彫刻作品「SunLight Under Rain」 大府駅前地蔵院交差点付近歩道上。


鐵羅さんの作品の多くはその表面にビード(溶接の際にできる金属が盛り上がった痕跡)が施されています。最初に引いた一本のビードとの付かず離れずの距離が次のビードの座標を導くことでその制作行為は進行します。ビード同士は互いに喰い合うように影響し、熱とともに作品の一部となります。
それは装飾的に表面を覆うものではなく、繰り返されるビード制作の過程で蓄積されゆく熱は、そのフォルムの基盤となる面そのものにもささやかなひずみを生じさせます。
連続するビードが生み出すそうしたひずみやうねりは、物質的には無機質かつ幾何学的なフォルムの中に有機的な印象を混在させます。それは細胞分裂や発芽のような生命の律動と重なるのかもしれません。
(彫刻家 葛本康彰)