本展覧会は、『石山直司展』と『ルーヴル美術館の銅版画展』を同時開催するものです。

石山直司氏は、新居浜市出身で日本で版画家としての活動を始めましたが、2003年に文化庁の在外研修員としてフィンランドのユヴァスキュラ市で研修を行い、それ以降当地で制作活動を続けています。『石山直司展』では、主にエッチングとドライポイントによる技法で製作した銅版画作品約130点を展示し、その表現の変遷を辿ります。また、同氏の活動の一環としてフィンランド国内外の版画作家と共同して実施したプロジェクトの作品も紹介します。

『ルーヴル美術館の銅版画展』は、ルーヴル美術館カルコグラフィー室が所蔵する約13,000点もの原版の中から、日本での特別公開のために、当時の貴重な版を用いて刷られた銅版画約100点を紹介します。カルコグラフィーとは、ギリシャ語で「銅(カルコス)に描いたもの」という意味で、ルーヴルでは、銅版画とそのコレクションを原版とともに保存し、それをもとに版画を刷る場所を意味します。

銅のまち新居浜市での本展覧会開催は、伝統的なヨーロッパの銅版画と現代銅版画作家の作品にふれる絶好の機会となるでしょう。この機会に銅版画の歴史とその魅力、そして銅という素材についても身近に感じていただきたいと思います。