美術家黒瀬 剋による絵画展を開催いたします。

●作家コメント
絵画は静止していて動画のように流れていかないし、特に抽象画はモチーフの具体性に寄りかかれないから、具象なイメージの連想が助けてもくれない。
それなのに私が今だにその場所を手放さないのは、そこにはモチーフによる拘束から解放された自由で広大な何かがあると直観し得るからで、その抽象の内奥には全ての具象さえもが包有されている気さえしているのだった。
「動き」を含めそうした全ての要素が絵画の「静止」の中に並走されていると考えてみれば、そうした静止の最中から全てが決然と動き出す瞬間に共振しているような、そんな瞬発するような絵画を私はいつも描きたいと思っている。
そしてそれを誰よりも最初に見てみたいと強く望んでいるのが今の私のような気がする。