「私は縺れ(もつれ)というテーマを用いて、命(芸術)を表現することを目指しています。
墨を水中に垂らし、それが人の形に見えた瞬間に、絵画で表現すべきすべてが詰まっていると感じました。
本展は、私が感じる美の肖像として「縺れの真影」というタイトルをつけました。
何もなかった水中に墨が生まれ、やがて消えゆく只中にある奇跡的な瞬間をご覧ください。」(和田宙土)

和田宙土は、水中に落とした墨がほどけて溶けてゆく間の刹那に結ぶ像を、日本画の素材・技法を用いて絵画で再構築する画家です。
これまで一貫して「縺れ」をテーマに作品を制作しています。

水中の墨が具象的な像となる一瞬が生まれては消える過程に、生命の始まりから終わりに通じる万物の理のようなものを感じ、
それを絵画として残し永遠化することを自身が追求すべき作品制作の目的と捉え、試みます。

この機会に是非ご高覧ください。