『不完全で、非効率に、美しくあろうとする心。
本展示では、深く沈められた本心に辿り着くための試行錯誤を描きました。
私が用いるのは、学校の授業で使用される柔らかいチョークです。
チョークは定着させようとすればすぐに消えてしまい、制作の最中にもわずかな加減で崩れてしまいます。
私はそうした予期せぬ作用も受け入れ、作品の一部として取り込んでいます。チョークでの制作は繊細で、不安定です。
けれど同時に、形を変え続けられるという豊かな可能性も感じ、その「生まれ変わり続ける力」に人の姿を重ね、ポジティブに受け入れています。
残すことの難しさを抱えながらも、その特性ごと愛され、人の手で守られていくことを願っています。』(中島レナ)

中島レナは黒板にチョークを使用し、風景画を主に制作している黒板画家です。
2015年に高校の教室の黒板に描いた黒板アート作品がSNS上で話題となり著名小説家の書籍の装画に抜擢されました。

黒板アートというジャンルの先駆者として表現方法や画材など試行錯誤しながら開拓し確立してきた作家独自の技法で描いた作品を是非お楽しみください。