富山市ガラス美術館の開館10周年を記念し、日本の現代ガラス芸術の歴史と現在を紹介する展覧会を開催します。国内では1970年代後半から、作家個人が自らの手でガラス制作を行う動きが本格的に広がり始めます。作家の多くが会社に所属し、素材を扱う作業を職人と共に行っていた従来のあり方から転換した背景には、1977年に日本初のガラス専門課程が多摩美術大学に開設されたことや、1978年の第8回世界クラフト会議・京都を契機とする、ガラス芸術分野での国際交流の拡大がありました。作家たちは実験的な制作を重ねてこの素材と関わりながら、ガラスだからこそ生まれ得る表現を追求してきました。さらに1990年代にかけての空間的かつ大規模な表現への展開を経て、2000年代に入ると、作家独自の制作手法を編み出す動きの活発化や、変化し続ける社会情勢と呼応するような作品の増加により、ガラス表現はますます多様な広がりを見せています。本展覧会では今日にいたる激動の50年の動向を振り返りながら、各時代を代表する作品や、ガラスの新たな可能性を提示する表現を紹介します。[美術館サイトより]