画家・津上みゆきは、東京で生まれ大阪で育ちました。1996年ニューヨーク滞在中に制作や作品について再考する機会を得、作品名にはViewという言葉が冠されることになりました。津上にとってのViewとは、「みえるもの/眺め」と「みること/見かた」という二つの意味をもちます。
そして、作品名には月日や時刻が記されています。これは、風景を眺めるだけの意味にとどまらず、移りゆく時を意識し往還しながら考えるという独自の風景観や制作方法に根差しています。現場でのスケッチと、そこからキャンヴァス画へと向かう過程で思考を重ねる「スタディ」は、その場に関わりのある人々や文化を含むさまざまな魅力を伝えるとともに、絵画というジャンルのもつ可能性をも広げています。
本展は、サイトウミュージアム所蔵の津上みゆきの絵画に作家所蔵の絵画や関連スケッチ、10年ぶりに取り組んだ新作銅版画《View, Flowers, Places, 2023》を含む版画作品、さらには三重県内を取材した最新作をあわせた展示により、津上みゆきの作品の魅力に迫ります。

《会期中のイベント》
・アーティスト・トーク(津上みゆき)
 2025年10月15日(土)14:00~
・学藝員によるスライド・トーク(当ミュージアム・田中善明学藝員)
2026年1月25日(日)14:00~
 「サイトウミュージアムの風景画 池大雅から津上みゆきまで」
・対談 尾﨑信一郎(鳥取県立美術館長×津上みゆき)
2026年3月1日(日) 14:00~
*いずれも事前申し込みは不要 *入館チケットが必要です

*展示替えがあります
 前期展示:10/24(金)~12/28(日)
 後期展示:2026年1/4(日)~3/8(日)

《連携展示》
「詩歌・文学と挿絵 佐佐木信綱と津上みゆき」
会場:佐佐木信綱記念館(鈴鹿市石薬師町1707-1 Tel 059-374-3140)
会期:10月24日(金)ー2026年1月18日(日)